【その他】『ブルーピリオド』から考える日本の教育格差と、私が「優しい資本主義」のために始めたこと
こんにちは。司法書士の石川昂です。
今日は業務と直接関係ない個人的なお話です。
先日、美術大学への受験と若者たちの葛藤をリアルに描いた人気漫画『ブルーピリオド』を読みました。圧倒的な熱量に引き込まれると同時に、一人の大人として、そして法律や社会の仕組みに関わる専門家として、深く考えさせられるシーンがありました。
それは、「挑戦を始める前の段階で、経済的な壁によって選択肢を奪われてしまう若者たちのリアルな葛藤」です。
現代日本が抱える「教育格差」の問題
今の日本には優れたオンライン教材が普及し、一般的な5教科(英数国理社)の知識のインプットは、ある程度「本人の努力」でカバーできるようになりました。
しかし、劇中で描かれるような芸術・美術の世界(デッサンや実技指導)、あるいは医療・看護といった専門分野だけは、画面を見るだけの独学ではどうしても限界があります。 プロの講師による直接の添削や、対面でのフィードバックが不可欠だからです。
こうした専門予備校の費用は決して安くありません。
ここにこそ、親の経済格差が子どもの人生の選択肢の格差に直結してしまう、現代の教育格差の「本当の問題」があります。
調べれば調べるほど、資本主義の社会構造によるしわ寄せが、罪のない子どもたちに行き着いている現実に直面しました。
「自由」の名の下に、結果の責任を社会全体で受け止める
本来であれば、国が税金を使い、この問題を解決すべきシステムが理想です。しかし現実には、制度の狭間で本当に支援が必要な子どもたちに手が回っていないのが現状です。
法律やビジネスの世界において、「自由」は素晴らしい理念です。しかし、その「自由」という名の下に、生まれ育った環境による不条理や、結果の責任までをすべて若者本人に押し付け、放置してよいわけではありません。それは大人の、社会全体の地続きの責任でもあります。
個人でこの巨大な社会問題をすべて解決することはできません。 しかし、「だからこそ、その仕組みを変えるために体を張って地道に戦っている最前線のプロフェッショナルに、自分のリソース(富)を投じる」ことはできます。それこそが、私たちが取れる最も合理的で強力なアクションだと考えました。
私が信じ、これから体現していきたい目標。それは、 「資本主義の理念である『自由』の名の下に、結果の責任を社会全体で受け止め、優しい社会を目指す」 ということです。
2つのアプローチで始めた「富の循環」
この理念を現実のものにする第一歩として、私は日本の未来をつくる若者たちを支えるため、2つの認定NPO・公益法人へ毎月の継続寄付(マンスリーサポート)を申し込みました。
- 公益社団法人 チャンス・フォー・チルドレン(CFC)経済困窮家庭の学生に、塾や専門予備校でのみ使える「教育クーポン」を直接給付している団体です。新しい箱モノ(施設)をゼロから作るのではなく、既存の優れた民間インフラへ学生を繋ぐ「システム」に徹しているため、寄付金が最も効率よく、ダイレクトに若者の夢の切符(画塾代や看護専門塾代)へと変わります。
- 認定NPO法人 D×P(ディーピー)LINE相談「ユキサキチャット」を通じ、不登校や経済困窮で今日明日の生存すら危うい10代後半の若者へ、食糧支援や緊急現金給付をスピード感持って届けている団体です。そもそも学ぶためのスタートライン(生活基盤)すら失って孤立している若者を底辺で支える、文字通りのセーフティネットです。
「走る意欲のある若者を最速でトップギアに入れるシステム(CFC)」を応援しながら、「そもそも土俵にすら立てていない若者の命を繋ぐ命綱(D×P)」をも支える。この攻めと守りの循環に、自分の事業から生まれた富を流すことを決めました。
「優しい社会」を目指して、もっと稼ぐ
私はこれまで、「これ以上稼いでも税金で持っていかれるだけだし、もう十分だな」とどこかで満足していました。
しかし、今回の寄付を通じて、仕事に対する新しいエネルギーが湧いてくるのを感じています。
「自分が事業を成長させ、より多くの利益を出せば、諦めかけていた専門の道を志す学生がさらに何人も挑戦権を得られる。飢えに怯える若者の命を救える」
自分のビジネスの拡大が、そのまま社会のバグを修正し、若者たちの希望の総量を増やすことに直結している。そう確信できた瞬間、仕事に対する馬力がこれまでとは違う次元で湧き上がってきました。
社会を動かす側の大人たちの意識が「奪い合うマインド」から「社会へ富を還流させるマインド」へとシフトしていけば、この国はもっと良くなるはずです。私は、そんな「優しい資本主義」を、まずは自分自身の小さな実践から体現していきます。
当事務所は、法律手続きを通じてクライアントの皆様の権利や資産を守るだけでなく、その事業の先にある社会全体が少しでも優しく、希望に満ちた場所になるよう、これからも司法書士職務に邁進してまいります。