【家族信託】生前贈与のすすめ~税金の注意点と相続時清算課税制度~

第1章 生前贈与とは

親から子へ、親から孫へ、あるいは、お世話になった友人へ財産を元気なうちに譲り渡すことです。認知症対策として、相続対策として最も活用しやすく理解もしやすい制度です。
しかし、最も注意すべきは贈与税に注意しなければならないということです。
実は110万円を超える資産を贈与する場合には、基本的に贈与税という税金が発生します。
親から子(20歳以上)への贈与した場合の税率は、次の通り

①110万円控除後の課税価格 ②特例税率(親から子、孫の場合) ③控除額    
200万円以下 10% 
400万円以下 15% 10万円
600万円以下    20% 30万円
1000万円以下  30% 90万円
1500万円以下 40% 190万円
3000万円以下 45% 265万円
4500万円以下 50% 415万円
4500万円超 55% 640万円


例 親の現金(預貯金)1000万円を子へ贈与した場合
1000万円-110万円=890万円(①課税価格)
890万円(①課税価格)×30%(②税率)=267万円
267万円-90万円(③控除額)=177万円(贈与税金額)

この様に、1000万円を単純に贈与してしまうと、177万円の贈与税が発生してしまうことになります。ちなみに、納付義務者は、もらった人(子、孫)となります。

✔ 1月1日から12月31日までの1年間に110万円までの贈与であれば非課税(暦年課税)

第2章 相続時清算課税制度

そこで登場するのが相続時生産課税制度の登場です。
これは、累計で2500万円までは当面非課税とする代わりに相続税の非課税枠をその分先取りをする制度です。

適用対象者
受贈者(もらう人)
・20歳以上
・贈与者の子又は孫

贈与者(あげる人)
・60歳以上

暦年課税が使えなくなる!
この制度を一度選択すると、先ほど記載した、1年間110万円の暦年課税が使えなくなってしまいます。毎年110万円を渡し、相続税対策をしている人にとっては、要注意です。

相続時清算課税を選択した場合の税率計算 例

1年目 1000万円贈与(非課税 残り非課税枠1500万円)
2年目  500万円贈与(非課税 残り非課税枠1000万円)
3年目 1300万円贈与(非課税枠を超えた300万円に対して20%の税率)

2500万円までは、非課税ですが、3年目の贈与で300万円を超えてしまい、贈与した翌年に20%の60万円の贈与税の支払い義務が発生します。

相続税の非課税枠の前借り制度
相続が発生した場合、この範囲であれば相続税の課税対象とされない非課税枠があります。(3000万円+相続人1人につき600万円)
例えば、相続人が妻と子供2人の場合、相続人は3名なので相続財産が4800万円までは相続税がかからない事になります。
しかし、相続時清算課税制度を使用した場合、この4800万円の非課税枠の内、2500万円までを前借りする形になるので、例えば、贈与した財産の価格が2000万円で、相続時清算課税制度を利用した場合、4800万円-2000万円=2800万円が相続税の非課税枠となります。

相続時清算課税による贈与は将来相続税で合算される
✔相続税が発生する方は節税にならないことがあるので、要注意!
✔いったん相続時清算課税制度を適用すると、暦年課税に戻ることは出来ない!

提出方法
相続時清算課税制度を利用する場合は、その贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までの間に納税地の管轄税務署長に対して、贈与者ごとの「相続時清算課税選択届出書」を提出しなければなりません。

届出書
https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/shinkoku/zoyo/tebiki2016/pdf/27.pdf

添付書類
・受贈者(もらう人)の戸籍謄本及び戸籍の附票(本籍地と住所の併記があるもの)
・贈与者(あげる人)の住民票

提出先

受贈者(もらう人)の住所   管轄税務署
成田市 佐倉市 四街道市 八街市 印西市 白井市 富里市 印旛郡 成田税務署
成田市加良部1-15

℡0476(28)5151
中央区の一部 花見川区の一部 稲毛区の一部 若葉区 美浜区の一部 千葉東税務署
千葉市中央区祐光1-1-1
043(225)6811
花見川区の一部 稲毛区の一部 美浜区の一部 習志野市 八千代市 千葉西税務署
千葉市花見川区武石町1-520
043(274)2111
中央区の一部 緑区 市原市 千葉南税務署
千葉市中央区蘇我5-9-1
043(261)5571
松戸市 流山市 鎌ケ谷市 松戸税務署
松戸市小根本53-3
047(363)1171
野田市 柏市 我孫子市 柏税務署
柏市あけぼの2-1-30
04(7146)2321
市川市 浦安市 市川税務署
市川市北方1-11-10
047(335)4101
船橋市 船橋税務署
船橋市東船橋5-7-7
047(422)6511
香取市 香取郡 佐原税務署
香取市北1-4-1
0478(54)1331
銚子市 旭市 匝瑳市 銚子税務署
銚子市栄町2-1-0479(22)1571
東金市 山武市 山武郡 東金税務署
東金市東新宿1-1-12
0475(52)3121
茂原市 勝浦市 いすみ市 長生郡 夷隅郡 茂原税務署
茂原市高師台1-5-1(茂原地方合同庁舎)
0475(22)2166
木更津市 君津市 富津市 袖ケ浦市 木更津税務署
木更津市富士見2-7-18
0438(23)6161
館山市 鴨川市 南房総市 安房郡 館山税務署
館山市北条1164
0470(22)0101

第3章 生前贈与加算

相続人が、相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときは、その贈与の時の価格を、贈与者(被相続人)の課税価格とし、合算して相続課税を行うことです。

相続開始前3年以内の相続人への資産移動は、直前の資産移動として相続財産に取り込みます。
仮に相続開始3年以内に贈与税を納めている場合は、その納めた者の相続税を控除できます。(贈与税控除)
暦年控除額110万円以下の贈与財産や、死亡した年に贈与された財産も相続税に加算されます。

相続時清算課税制度を選択した場合
相続時清算課税制度を利用して、移転された財産の価格は、贈与者の相続税申告時に受贈者の課税価格に加算され、贈与税を支払った場合は、相続税から控除します。

相続人以外の孫への贈与は、生前贈与加算の対象となりません。

✔相続開始3年以内の贈与財産は、相続税申告で合算される。
✔相続人以外への贈与は加算されない