相続人が見つからない場合の相続手続き(失踪宣告・不在者財産管理人)
相続手続きにおいて、相続人の一部の行方が分からないとき
第一章 不在者の生死が7年以上明らかでないとき(失踪宣告)
父親が8年前に家を出たまま帰らず、一切連絡もありません。
そのため、生存しているかどうかも分からない状態ですが、母の相続手続きには、父の協力が必要と言われてしまいました。

解決方法
①家庭裁判所に、失踪宣告の審判を申し立てることにより、不在者が死亡したものとみなすことが出来ます。
②失踪宣告の審判確定後に、失踪届けを提出します。
手続
失踪宣告審判申立書を作成
記載例は、こちら
添付書類
・不在者の戸籍謄本
・不在者の戸籍附票
・失踪を証する資料
・申立人の利害関係を証する資料(親族関係であれば戸籍謄本)
申立時期
不在者が生死不明となってから7年以上経過後
失踪宣告とは
不在者の生死が7年間明らかでないときは、家庭裁判所は、利害関係人の請求により、失踪の宣告をすることができます。7年間の起算点は、不在者の生存が最後に認められた時点で、その翌日から起算して7年間が経過すると申し立てることが出来ます。
申立人となることが出来る者
申立権者は、利害関係人です。利害関係人とは、法律上の利害関係を有する者を指し、配偶者、父母、受贈者、保険金受取人などです。
申立先
不在者の住所地または、居所地を管轄する家庭裁判所
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亡くなられた方の住所地 |
提出先の裁判書 |
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千葉市,習志野市,市原市,八千代市 |
千葉家庭裁判所 |
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市川市,船橋市,浦安市 |
千葉家庭裁判所市川出張所 |
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佐倉市,成田市,四街道市,八街市,印西市,白井市,富里市,印旛郡(酒々井町 栄町) |
千葉家庭裁判所佐倉支部 |
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茂原市,勝浦市,いすみ市,長生郡(一宮町 睦沢町 長生村 白子町 長柄町 長南町),夷隅郡(大多喜町 御宿町) |
千葉家庭裁判所一宮支部 |
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松戸市,野田市,柏市,流山市,我孫子市,鎌ケ谷市 |
千葉家庭裁判所松戸支部 |
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木更津市,君津市,富津市,袖ヶ浦市 |
千葉家庭裁判所木更津支部 |
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館山市,鴨川市,南房総市,安房郡(鋸南町) |
千葉家庭裁判所館山支部 |
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東金市,山武市,大網白里市,山武郡九十九里町,匝瑳市,香取郡多古町,山武郡芝山町,横芝光町,銚子市, 旧旭市(旧海上郡海上町,旧海上郡飯岡町) |
千葉家庭裁判所八日市場支部 |
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香取市,旭市の内(旧香取郡干潟町),香取郡神崎町,東庄町 |
千葉家庭裁判所佐原支部 |
審判手続き
失踪宣告の申立てがなされると、家庭裁判所は、申立人の利害関係の有無や、不在者の生死が7年間明らかでないかについて調査を行ったうえで、3ヶ月間公告をします。
そして、3ヶ月間に生存の届出又は生死を知る者の届出がなされないときは、失踪宣告の審判がなされます。
公告は、家庭裁判所の掲示板に掲示されると共に、官報に掲載されます。
3ヶ月が経過し、死亡認定がなされると、戸籍に死亡の旨が記載され、不在者が死亡したものと推定され、相続手続きが可能になります。
第2章 所在や生死が分からない相続人がいる場合(不在者財産管理人)
父が亡くなり、相続手続きをしたいのですが、弟の所在が分かりません。
以前どこかで生きていると聞いたのですが、連絡を取ることが出来ません。どのように相続手続きを進めればいいでしょうか?
解決方法
①不在者財産管理人選任審判の申立てをする。
②不在者財産管理人の権限外行為許可審判の申立てをする。
③不在者財産管理人が共同相続人と遺産分割協議を成立させる。
①不在者財産管理人選任審判申立書を作成する
添付書類
・不在者の戸籍謄本
・不在者の戸籍附票
・財産管理人候補者の住民票
・不在の事実を証する資料
・不在者の財産に関する資料
・申立人の利害関係を証する資料
申立先
上記裁判所に同じ
不在者財産管理制度
住所や、居所を去って所在不明となった者に対して権利行使をする場合、あるいは不在者の財産を保護する必要が生じた場合に、家庭裁判所は、利害関係人または検察官の請求によって不在者の財産管理について必要な処分を命ずることが出来ます。
管理人に選任されると、財産目録の調整、財産の保存に必要として家庭裁判所から命じられてた処分の遂行、財産の状況報告ならびに管理の計算があります。
管理人が不在者の財産を適正に管理していく為には、まず、不在者の財産の内容を正確に把握しておくことが重要です。そこで、選任後速やかに、不在者の財産の内容、収支状況を調査する必要があります。
そして、不在者財産管理人は、財産状況を適宜家庭裁判所に報告をしなければならない。
また、不在者財産管理人の権限は、保存行為、財産の利用改良に限られるため、不在者の代わりに遺産分割協議をする場合は、家庭裁判所の許可が必要になります。
添付書類
権限外行為となる資料
(遺産分割協議書案など)
申立時期
遺産分割協議を行う前
申立人
不在者財産管理人
③不在者財産管理人が加わる遺産分割協議書の作成方法
不在者財産管理人は、遺産分割協議案を家庭裁判所に提出する際、遺産の範囲・評価を記載した遺産目録を作成した上で、各相続人が取得する遺産と取得額を明示した分割案を提出することが望ましい。
不在者に代わって不在者財産管理人が「相続人A不在者財産管理人B」と署名し、不在者財産管理人の実印を押印して、作成します。
ここで注意しなければならないのは、遺産分割協議の結果、不在者が不当な利益を受けないようにしなければならないと言うことです。
例えば、相続財産が400万円不在者の法定相続分が4分の1の場合、基本的には、100万円は不在者の取り分となる様に協議をしなければ家庭裁判所は許可しません。
しかし、特別な事情がある場合には、不在者の法定相続分を下回る協議も可能です。
特別な事情例
・不在者が帰来する可能性が低い場合
・不在となった経緯などから、不在者が死亡している可能性が高い場合
・既に失踪宣告の要件を満たしているが、親族等の意向によりあえて失踪宣告の申し立てがされていない場合
・不在者が被相続人から相応の生前贈与を受けている等の特別受益と認められる事情がある
帰来時弁済型の遺産分割協議
遺産分割の時点では、特定の財産を不在者に取得させず、その代わりに、特定の共同相続人に対し、不在者が帰来したときに不在者に対する代償金等の支払といった債務を負担させる型の遺産分割協議です。
不在者の相続分が100万円ほどであれば、特段の事情のない限り、認められている。
不在者の相続分が多額である場合は、他の相続人において代償金の支払いが出来るか?不在者に子供がいないか?帰来する可能性が低いか?によって判断される。
遺産分割条項例
「相続人Bは、遺産の代償として、相続人(不在者)Gが出現し、同人から請求があったときは、同人に対し○○万円を支払う。」
最後に
不在者財産管理人は、基本的には不在者が出現するまで管理する義務があります。
場合によっては、長い年月財産を管理しなければなりません。
その為、状況によって上記の失踪宣告や、帰来時弁済型の遺産分割協議を成立させ、業務を終了することになります。