特定空家になった場合の固定資産税と、行政代執行の内容
特定空家になった場合の固定資産税と行政代執行の内容
空家になっても、適正に管理されていれば、固定資産税が上がることはありません。
しかし、管理がされていない為、他社に迷惑や危険が発生しそうな場合、空家特措法上の特定空き家等と認定され、勧告を受けると、固定資産の住宅用地特例から外れ、固定資産税が増加することになります。
さらに、必要な措置を取らなかった場合は、代執行により、解体、修繕、伐採等が行われることがあります。
<勧告を受けると、固定資産税はいくら上がってしまうのか?>
勧告を受け、固定資産税の住宅用地特例の対象からはずされると、非住宅用地として取り扱われるので、下記の特例が無くなってしまいます。
| 小規模住宅用地 | 200㎡以下 | 固定資産税 都市計画税 |
6分の1課税 3分の1課税 |
| 一般住宅用地 | 200㎡を超える部分 (家屋の床面積の10倍まで) |
固定資産税 都市計画税 |
3分の1課税 3分の2課税 |
つまり、土地が200㎡以下の場合、固定資産税は6倍近く、都市計画税は3倍近く上がってしまうことになってしまいます。
ただし、特例が無くなった場合でも、負担調整措置及び条例減額制度に基づき固定資産税額が決定されるので、単純に6倍になるわけではありません。
<行政代執行を受けてしまう場合とは?>
勧告を受けた後も、必要な措置を取らない場合は、行政代執行をされてしまう場合があります。
しかし、代執行を行うことは、多額の税金を使うことになるため、今までの所有者の対応、特定空家等の緊急性や、費用とその費用を所有者等に請求し、回収できるかの検討を行い、総合的に判断する必要があります。
行政代執行法 第2条
法律(法律の委任に基く命令、規則及び条例を含む。以下同じ。)により直接に命ぜられ、又は法律に基き行政庁により命ぜられた行為(他人が代つてなすことのできる行為に限る。)について義務者がこれを履行しない場合、他の手段によつてその履行を確保することが困難であり、且つその不履行を放置することが著しく公益に反すると認められるときは、当該行政庁は、自ら義務者のなすべき行為をなし、又は第三者をしてこれをなさしめ、その費用を義務者から徴収することができる。
<行政代執行の内容>
代執行の内容は、撤去、修繕、立木竹伐採その他周辺の生活環境の保全を図るために必要な措置となります。
また、建物撤去をする代執行を行う場合は、空家が、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は、著しく衛生上有害となるおそれがある状態のどちらかの時、撤去の対象となります。
<行政代執行の手順>
空家に代執行する場合は、次の手順を取られることになります。
- 文章による戒告
代執行を行う場合には、相当の期限を定め、その期限までに履行がなされないときは、代執行をなすべき旨をあらかじめ文章で戒告をします。
↓ - 再戒告
戒告に定められた相当の履行期限までに履行がされない場合、再度戒告をすることも認められています。空家の状態を考慮して判断されます。
↓ - 代執行令書による通知
所有者等が戒告を受けても、戒告の内容を履行しない場合、地区町村長は、代執行令書にて、下記事項を通知します。
①代執行をすべき時期 ②執行責任者の氏名 ③代執行の費用の概算の見積額
↓ - 代執行
期限になると、戒告内容の代執行がなされます。
代執行費用については、後日所有者等に請求されることになります。
<動産がある場合>
行政代執行を行う際に、特定空家等の内部に動産がある場合は、所有者等に処分する様連絡し、応じない場合は保管し、所有者等に引き渡すよう連絡することが考えられます。
また、価値のある動産の場合は、代執行による費用の回収の為、差押え、公売、任意売却が検討されます。価値のない動産は、解体時に廃棄されることもあります。
<略式行政代執行とは?>
特定空家の所有者等の行方が分からなく、確知することが出来ないときは、市区町村長は、通知を行う事無く、代執行を行うことができます。
略式代執行を行うときは、相当の期限を定めて、公告(市区町村の掲示板に掲示)をする必要があります。