【医療法人登記】代表理事死亡・社員の欠乏による解散時の「臨時社員総会議事録」および「退社届」ひな型

社団たる医療法人は、社員が1名もいなくなる「社員の欠乏」によって法律上当然に解散します(医療法第55条第1項第5号)。

特に「理事長(代表理事)が既に死亡しており、最後の1名となった社員が退社して解散・清算人を選任する」ケースでは、退社届の提出先や総会の開催手続き、解散事由を証する書面(定款の添付など)の構成に工夫が必要です。

以下に、実務で使えるひな型と管轄法務局対応の注意点をまとめました。

1. 臨時社員総会議事録(ひな型)

臨時社員総会議事録

令和〇年〇月〇日午前〇時〇分当法人の主たる事務所において、臨時社員総会を開催した。
        議決権のある社員総数  	1名
        総社員の議決権の数	1個
        出席社員数(委任状による者を含む。)	1名
        この議決権の総数	1個

【社員の状況】
  出席社員 
  議長兼議事録作成者  社員 〇〇 〇〇
  欠席者(社員資格を喪失した者)
  社員 〇〇 〇〇(令和〇年〇月〇日死亡)
  社員 〇〇 〇〇(令和〇年〇月〇日退社)

 社員〇〇 〇〇は死亡により、また、社員〇〇 〇〇は退社により、それぞれ社員の資格を喪失した。
これにより、現に在籍する議決権のある総社員は〇〇 〇〇1名であり、本総会は有効に成立した。
定款第〇条第〇項の規定に基づき、社員〇〇 〇〇が議長となり開会を宣言し、直ちに議事に入った。

第1号議案 社員退社に伴う解散の報告
 社員〇〇 〇〇より、令和〇年〇月〇日、本総会終了をもって当法人の社員を退社したい旨の届出が提出された。なお、定款第〇条に定める理事長〇〇 〇〇は令和〇年〇月〇日に死亡しており代表者が不在であるため、本臨時社員総会において当該退社届を受領し、正式に受諾した。
 本退社の効力発生に伴い、当法人は社員の全員が欠亡することとなり、定款第〇条第〇項第〇号に基づき、本日(令和〇年〇月〇日)をもって解散することを確認・報告した。
 
第2号議案 清算人選任の件
 議長より、当法人が解散することに伴い、定款第〇条第〇項の規定に基づき清算人を選任したい旨の発議がなされた。議場に諮ったところ、全員一致をもって以下の者を清算人に選任し、被選任者は即座にその就任を承諾した。  

 選任された清算人
 〇〇県〇〇市〇〇〇番地
 〇〇 〇〇

 議長は、以上をもって本日の議事を終了した旨を述べ、午前〇時〇分閉会した。

上記の決議を明確にするため、この議事録を作成し、議長兼議事録作成者がこれに記名押印する。

  令和〇年〇月〇日
        医療法人社団〇〇〇〇
         議長兼議事録作成者    
         社員   〇〇 〇〇 (印)


         清算人  〇〇 〇〇 (印)

2. 退社届(辞任届)(ひな型)

退 社 届

令和〇年〇月〇日

医療法人社団〇〇〇〇 御中

このたび一身上の都合により、令和〇年〇月〇日をもって貴法人の社員を退社いたします。

住所:〇〇県〇〇市〇〇〇番地
氏名:〇〇 〇〇 (印)


3. 実務上の注意点・管轄法務局による取り扱いの差異

⚠️ 【重要】管轄法務局(登記官)による対応の違いについて

社員の欠乏による医療法人の解散および清算人就任の登記手続きは、通常の社員総会決議による解散(都道府県知事の認可書が必要なケース)と異なり、法務局の運用や登記官の判断によって添付書類の求め方が分かれる場合があります。

  1. 「社員資格の得喪」を証する書類(死亡・退社の立証)
    • 過去の社員が死亡したことを証する「戸籍謄本(除籍謄本)」や「住民票の除票」、過去の社員の「退社届」について、議事録の記載のみで足りるとする法務局と、それら全ての原本添付を求める法務局があります。
  2. 定款の添付
    • 社員の欠乏による解散を証する書面として、定款(「社員の資格得喪」や「解散事由」の条項確認用)の添付が原則必須とされます。
  3. 代表者不在時の退社届の受領権限
    • 理事長が死亡している場合、退社届の提出先・受領権限を「社員総会」で受諾する形式で通る場合が一般的ですが、事前に管轄法務局への照会・すり合わせを行っておくと申請がスムーズです。

申請を行う際は、事前に管轄法務局の登記相談窓口へ議事録案・上申書案を提示し、添付書面のすり合わせを行っておくことを推奨します。